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【ネタ記事】大学近郊で春の肝試し ~新入生の恐怖を肩代わり!~

 「新入生はこの時期、新生活でさまざまなことにおびえている」という部会でのIの発言。「まあそうだよな」と思う筆者。「肝試しで新入生の恐怖を肩代わりしよう」とIは続けざまに言う。そこでIが肝試しをすることになった――はずだった。




 しかし次の日にIから連絡が来た。「予定が入って肝試しできなくなったのでお前が代わりにやって」とのこと。「うひぇー」とは筆者の心の声。ホラーやオカルトなどの恐怖系は基本的に苦手である。しかし、「ここは新入生の恐怖を肩代わりしなければならぬ」と決心し、引き受けることにした。

 ゴールデンウィーク初日の午後10時、筆者はMと部室にいた。肝試しのコースを二人で考えた結果、川内キャンパス近郊で怖そうなところを3ヵ所巡ることにした。

 1ヵ所目は青葉城跡である。一度青葉城跡に行ったことがある人は分かると思うが、あの辺りは「いかにもクマが出そうな場所」であり、クマへの恐怖心と戦わなければならない絶好の肝試しスポットなのだ。

 青葉城跡に到着すると、石垣が薄い青の光で照らされており、不気味な雰囲気を醸し出している。辺りを見渡すと一面森で、いかにもクマが出そうである。さすがに一人ずつ行くのはやめようという結論に至り、二人で通過した。森の奥は暗くて何も見えなかった。しかし、時々森から聞こえてくるざわめきは「なにか」がいることを予感させるものだった。結局何にも遭遇せず、安堵した二人であった。

 2ヵ所目は八木山橋である。説明すると、飛び降り自殺を防止するための巨大なフェンスが設置されるほどの自殺スポットであり、霊が出ることでまた全国的に有名な絶好の肝試しスポットなのだ。ここは一人ずつ行くことにした。じゃんけんで勝った筆者が先頭で、負けたMが一分遅れで行くことになった。あたりは暗く、時々通る車以外、人影はない。下り坂を終えると八木山橋が見えた。3メートルはあろうかという高いフェンスに少ない明かりで、「なにか」出てきてもおかしくない雰囲気である。橋を渡り始めてフェンスを見ると隙間から断崖絶壁を確認することができた。底が見えなくて怖い。筆者の歩行位置が徐々に車道寄りになる。後ろからクラクションが聞こえる。慌ててフェンス寄りを歩き、車が去ったらまた車道よりに戻す。筆者が橋を渡っている間に車は3台しか通らず、恐怖心は加速していく。

 橋を通り過ぎた後も「早く誰かに会いたい」という気持ちが心を支配していく。恐怖からだんだん体が震え出す。「これが会いたくて会いたくて震えるってことなのか?」支離滅裂な思考回路になる。歩くスピードが速くなる。極限の心理状態に達したときに「人間だあぁぁぁー」とコンビニに人影を発見して嬉しさのあまり絶叫した。

 八木山動物公園駅でMと合流したときに、Mとの差がかなり広くなっていたことが判明した。「自分はそんなに歩くのが速くなっていたのか」と衝撃を受ける筆者。「いや俺、コンビニで買い物していた」とM。「なんだよ」と思う筆者であった。

 八木山動物公園駅から地下鉄で青葉山駅まで移動した。3ヵ所目は東北大学の青葉山東キャンパス。当所は工学部のキャンパスであり、「社会の闇」が見えるとまたまた全国的に有名な絶好の肝試しスポットなのだ。筆者とMは歩き始めた。

 はじめに見えたのは「建築・社会環境工学科」の建物。明かりがどの建物も各階に一部屋はついている。次に見えたのは「化学・バイオ工学科」の建物であるが、こちらも「建築・社会環境工学科」と同程度の明かりがついている。「ここってやばいな」と思う筆者。次に「電気情報物理工学科」の建物は各建物に一部屋くらいしか明かりがついておらず、多少安心した。しかし、「材料科学総合学科」、「機械知能・航空工学科」の建物を見て思わず絶句してしまった。明かりがどの建物も各階に二部屋はついているのだ。さらに「機械知能・航空工学科」棟内にあるコンビニの営業時間を見てみると「24時間」であった。「もう無理、帰ろう」と恐怖のあまり筆者はMに言った。

 以上が肝試しのあらましである。今回さまざまな場所で恐怖と戦った。「きっと、新入生の恐怖を少しでも肩代わりできたのでは」と筆者は信じている。ちなみに、青葉山東キャンパスに隣接する青葉山北キャンパスの理学部を見たMの発言は「俺の行きたい研究室に明かりがついている」であった。
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