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【特別インタビュー】伊達家18代当主 伊達泰宗さん ~流行生む伊達者を目指して~

 「歴史を守り、歴史に学び、そして歴史に恥じない『流行』を作り出してほしい」。そう話すのは、仙台藩祖伊達政宗の子孫、十八代当主伊達泰宗さん(58)。「政宗公直系の子孫であることを片時も忘れてはならない」という家訓を胸に、仙台藩や伊達家の「歴史」を精力的に今に伝える。




―伊達さんが現在取り組む活動は

 瑞鳳殿(ずいほうでん)資料館長として、2001(平成13)年、伊達政宗公御霊屋瑞鳳殿を創建当時の姿に復元する改修工事に携わりました。旧家臣の子孫で組織される仙台藩志会では、総裁として「仙台・青葉まつり」をはじめ伊達家の諸行事に参加します。また、伊達家伯(かはく)記念會の会長として、伊達家の文化財と歴代墓所の管理や修復に務めています。11年に発生した東日本大震災では、伊達家歴代墓所が被害を受け、修復には3年を費やしました。また、同記念會では伊達家に伝承する「仙台藩作法」の教育普及活動も行っています。


―伊達さんが普及に力を注ぐ「仙台藩作法」について

 仙台藩作法は、伊達家に受け継がれてきた武家の礼法です。聖ウルスラ学院英智高等学校(仙台市若林区)では学校設定科目として採用され、また、伊達遊学舎(仙台市青葉区)では、市民を対象とした教室を開いています。

 「仙台藩作法」では「敬する心」を基本的な考え方としています。綿々と連なる歴史を作法の中で体感し、社会のために貢献する。そのために自分は何ができるのかを謙虚に考える。これが「敬する心」です。授業を受ける高校生の凛とした姿は、まさに「敬する心」の表れだと思います。

―伊達さんが考える伊達政宗とは

 政宗公が実行されてきたことは、仙台を「千代」の国とする、つまり未来を見据えた国づくりでした。政宗公の偉大さを実感したのは、東日本大震災後、仙台城から見た仙台の姿でした。

 この年のちょうど400年前、仙台藩沿岸部は慶長大津波に襲われました。おそらく政宗公も、これと同じ風景をご覧になったことでしょう。政宗公は家臣、領民と共に被災地復興のための大事業として、被災地の治水工事により新田を開発し、貞山掘の建設とあわせ仙台藩沿岸の半分70㌔㍍に幅200㍍の防潮林を整備されました。まさに自然と共生する形での津波対策が考えられていたのです。これは復興と同時に未来を見据えた町づくりの大きな足跡です。

―伊達さんが思う仙台の姿

 仙台は四季の移ろいが感じられる街です。これは、政宗公も感じておられたはずで、400年前と同じ風景が現在も守られているということは、大きな財産であると思います。そして、ここに住む人々は、仙台の歴史や政宗公を愛しておられる方が多いと思います。「仙台城を再建」との声も多く聞かれます。今年は政宗公生誕450年、城下町仙台にふさわしい町づくりのスタートの年となれば喜ばしいことと思っています。

―本学学生にメッセージを

 オンリーワンを目指してください。人の模倣をしない、斬新な考えを持つ人のことを「伊達者」と呼びます。流行を後追いするようでは「伊達」とは呼びません。歴史を守り、歴史に学び、新しい流行を作る。歴史を顧みるということは、同時に次の時代に何を橋渡しできるかを探すということであり、だからこそ今、この瞬間をどのように生きるかを考えることだと思います。これは政宗公が考え、実践されたことであり、「仙台藩作法」に伝わる「敬する心」に通じます。ぜひ、「伊達者」を目指してください。
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