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川内茶会セミナー 「動物園と野生動物のつながり~研究者にできる橋渡し~」

 先月19日に川内キャンパス、川北合同研究棟にて川内茶会セミナー「動物園と野生動物のつながり~研究者にできる橋渡し~」が開催された。この講演会は、京都大学野生動物研究センターの木下こづえ助教を講師として迎えた。木下助教は研究者と社会の関係について説明した。




 動物園で飼育されている動物は自然とは大きく異なる環境に置かれる。こうした変化が動物の繁殖行動に与える影響を、ホルモン量の測定を通して調べている。従来の研究では野生動物の観察により得られた成果を飼育に役立てることが多かった。しかし、飼育下の動物を調べることで、野生動物の研究に貢献することも可能ではないかと木下助教は今後の展望を語った。

 また、木下助教は自身の活動が社会に影響を与えた事例としてユキヒョウの保護活動を紹介した。大学生時代に動物園でユキヒョウを観察していた木下助教は、檻の前を通る人々が「チーターだ」と発言するのを耳にし、ユキヒョウの知名度の低さを実感したという。そこで広告代理店に勤める双子の妹に相談したところ、クラウドファンディングでユキヒョウの名を広められるのではないかと提案された。クラウドファンディングとはインターネットを通じ不特定多数の人から調達した資金で事業を行うことだ。

 木下助教は「普段動物と縁のない人にもユキヒョウについて知ってもらいたい」と考え、CAMPFIREという芸能人も使用するサイトを通じて支援を呼びかけた。2013年と15年に行われた「まもろうPROJECT」はいずれも目標金額を上回る金額を集めることに成功した。集めたお金はユキヒョウを観察する赤外線カメラ等の購入に用いられた。カメラで撮影された映像はユキヒョウを飼育する動物園で確認できるという。

 講演後には質疑応答が行われ、動物園の持つ意義等について活発な議論が交わされた。動物園には調査・研究・教育・展示の四つの役割があるとされている。日本の動物園は自治体により運営されることが多く、展示を求める市民と研究にも力を注ぎたい園の間にギャップが生じているという。
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